5月15日 奥の細道出発

今から330年ほど前元禄2年3月27日、新暦で明日5月16日芭蕉が深川から船で隅田川を上り千住上陸後北上し岩手平泉、奥羽山脈を越え山形、最上川から日本海側を南下岐阜まで150日に及ぶ「奥の細道」の旅に出た日ですね。例の「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人也」と始まるあれです。芭蕉御年46歳、平均寿命の短かかった江戸時代では老年と呼べる年に何の目的があって困難な旅に出たのか私には想像できません。今と違い旅行者向けの宿があるわけでなし新幹線もまだ開通していないので概ね徒歩。いくら有名人の芭蕉でも誰でもが一夜の床を貸すわけでもなし随分野宿も多かったのではないでしょうか。物の本ではどうも3年前に作った「古池や蛙飛こむ水のおと」に新境地を見出しそれの実践、さらには西行大好き人間の芭蕉がその旅程を辿った、そして古来伝わる「歌枕」を自分の目で確かめたかったといったところがその動機のようです。