あわてない あわてない。ひと休み ひと休み♪

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いよいよ本年も押し詰まってまいりました。

皆様のなかには、昨日が仕事納めだったという方も多いでしょう。しかし業種や職種によっては年末ギリギリまで業務が押し押しで、「無事新年が迎えられるだろうか?」とヒヤヒヤしている方もおられるかと思います。

そんな方にお聞かせしたいのが『一休さん』というアニメの「あわてない あわてない。ひと休み ひと休み♪」という有名なセリフ。(一休さんの声は声優の故・藤田淑子さんでした)

さて、皆さんはこの「一休さん」というアニメをご存知でしょうか?

「一休さん」の話はほとんど知らない人はいないと思います。頭脳優秀な一休さんという小坊主が「とんち(卓越した知恵)」で困っている人々を助けたり威張る大人をへこませたりするという物語です。「このはしわたるべからず」「屏風の虎をつかまえろ」など、多くのエピソードが広く知られていますね。

そしてこの一休さんが室町時代に実在した『一休宗純』という臨済宗(禅宗のひとつ)の僧侶で、出家前の幼名は『千菊丸』。一説によると後小松天皇の子だったとされることも多くの人がご存知でしょう。

アニメ版(1975年10月15日から1982年6月28日まで放送)の『一休さん』をご記憶の方は、おそらく現在50代後半より上の世代だろうと思います。7年間も続いた人気アニメですから、もう少し下の世代でも「なんとなく見たことはある」「再放送で見た」という方もいらっしゃるでしょう。

このアニメ版は子供向けに制作されたものですから、主要な部分は史実に忠実ですが細部はいろいろとデフォルメされています。

安国寺というお寺や外観和尚(像外集鑑)は実在しましたが、当時の安国寺は室町幕府に庇護されている立派な寺院で、住職の他は小坊主が何人かいるだけの貧乏寺などではありませんでした。

「新右衛門さん」と小坊主たちに慕われる『蜷川新右衛』も実在のお侍さんです。ただし当時は「寺社奉行」などという役職はなく、年齢も一休さんより年下でした。「将軍様」と呼ばれる足利義満公は確かに金閣寺に隠居所していましたが、すでに将軍職は引退しています。

そもそも安国寺時代の一休さんはまだ「周建」という名前でした。

アニメ版一休さんといえば、「ハーイ! あわてない あわてない。ひと休み ひと休み♪」という台詞を思い浮かべますが、これは一休さんが長じて京都の大徳寺で『華叟宗曇』という高僧の弟子になった際、公案(修行僧が師匠から与えられる課題)に対して『有漏路(うろぢ)より無漏路(むろぢ)へ帰る 一休み 雨ふらば降れ 風ふかば吹け』と答えた、というエピソードに依ります。

現代風にいうと「どうせこの世は迷いの世界(有漏路)。そして悟りの世界(無漏路)に向かう過程である人生は、いわば「ひと休み」のようなもの。どんなつらいことがあってもしょせんは一時のこと。たいしたことないじゃないか」と高をくくり達観しているようです。また、その裏返しとして「どんなにつらくとも私は修行の道を突き進む」という決意表明にも読めます。

この答えを聞いた華叟和尚、「悟りは開けた」と認め『一休』という号を与えます。一休宗純28歳のときでした。

私たちは「今年」「来年」と暦を切り分けますが、実際には時間は連続しており、人間に感じられる区切りや節目などは実在しません。時節はあくまでも抽象的な概念に過ぎないのです。だからこそ、人間は節目をつくることによって自らを律する必要があります。

とはいえ、抽象概念に囚われ過ぎるのもよくありません。

「新年と変わるは名前ばかりなり 日に日を継ぐ間に ひと休みせん」

あなたも年末のあわただしさから心を解き放ち、くつろぐ時間を意識的に作ってみませんか?

あわてない、あわてない。ひと休み ひと休み♪

 

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