聖火リレーが松戸に
来年7月4日松戸駅周辺、松戸中央公園で最終走者式典

オリンピック聖火リレー県内ルート概要図(千葉県の資料より)

 このほど、千葉県から東京オリンピック聖火リレーの県内のルートが発表された。市では昨年から聖火リレーの誘致活動を行っていたが、県内ルート3日間のうちの最終日の来年7月4日、セレブレーション(各日の最終走者の到着時に行う、聖火の到着を祝うセレモニー)の地として選ばれた。昭和39年(1964)の前回の東京大会では聖火が市内を走らなかったため、松戸市内では初めての聖火リレーとなる。【戸田 照朗】

 松戸市では、ルーマニアとドミニカ共和国のホストタウンになるなど、聖火の誘致以外でも東京オリンピック・パラリンピックをまちの活性化につなげようとしている。昨年からは「東京五輪音頭-2020-」のCDを地域のお祭りなどに貸し出し、機運を高めようとしてきた。

セレブレーションが行われる予定の松戸中央公園

 「旧水戸街道、常磐線など、松戸は昔から交通の要衝で、旧松戸宿、旧小金宿などもあり、人々が交流してきた。水戸徳川家ゆかりの戸定邸と庭園も県民の投票などで次世代に残したいと思う『ちば文化資産』に選ばれています。聖火を千葉県から茨城県につなぐのであれば、ぜひ松戸を通ってほしいと、誘致活動をしてきました。また、復興五輪といわれる中で、松戸には大震災直後から福島の方をはじめ、多くの方が避難し、現在もお住まいになっておられます。県内3日間の最後のセレブレーションは、ほかの県は県庁所在地や政令指定都市が選ばれていることがほとんど。びっくりするとともに、とても光栄です」と、市の東京オリンピック・パラリンピック推進課の伊東朱美課長は話している。

桜をモチーフにした聖火リレートーチ ©Tokyo 2020

 聖火リレーのコンセプトは「Hope Lights Our Way/希望の道を、つなごう。」
 来年3月26日に福島県を出発し、栃木、群馬、長野と南へ向かい、中部、近畿、四国、九州の各県を経由して中国・山陰、近畿地方へと北上。北陸から東北、北海道へ行き、岩手、宮城、静岡、山梨、神奈川、千葉、茨城、埼玉、東京と、最後に首都圏に来る。
 千葉県を走るのは来年7月2日から4日の3日間。
 県内ルート全体のテーマは「本県の震災からの復興をアピールするルート」。
 各日にもテーマがあり、初日の7月2日のテーマは「県内道路網を活用し本県の基幹産業や豊かな自然をアピールするルート」。
 ①海ほたる(木更津市・出発式)、②君津大橋(君津市)→青堀駅(富津市)、③岩井海岸(南房総市)→道の駅富楽里とみやま(南房総市)、④太東海水浴場(いすみ市)→釣ヶ崎海岸(一宮町)、⑤野栄中学校付近(匝瑳市)→野栄ふれあい公園(匝瑳市)、⑥蓮沼交流センター付近(山武市)→蓮沼海浜公園第2駐車場(山武市・セレブレーション)
 2日目、7月3日のテーマは「本県の魅力あふれる歴史・伝統文化や国際都市をアピールするルート」。
 ①銚子ポートタワー(銚子市・出発式)→銚子漁港(銚子市)→銚子市役所(銚子市)、②いいおかみなと公園(旭市)→いいおかユートピアセンター(旭市)、③小野川周辺(香取市)、④航空科学博物館(芝山町)→三里塚さくらの丘(成田市)、⑤成田市役所(成田市)→成田山新勝寺(成田市)、⑥国際総合水泳場(習志野市)→幕張メッセ駐車場(千葉市・セレブレーション)
 3日目(最終日)、7月4日のテーマは「歴史・伝統文化と先進的まちづくりが融合した活気あふれる都市を アピールするルート」。
 ①浦安市総合公園周辺(浦安市・出発式)、②行田公園(船橋市)→船橋市保健福祉センター周辺(船橋市)、③鎌ケ谷市役所(鎌ケ谷市)→新鎌ふれあい公園(鎌ケ谷市)、④ 道の駅しょうなん(柏市)→手賀沼公園(我孫子市)、⑤柏の葉公園(柏市)、⑥松戸駅周辺(松戸市。松戸中央公園でセレブレーション)
 聖火ランナーは、1人で走行し、1人当たりの走行距離は約200m、時間は約2分。1日80~90人が目安。隊列は、聖火ランナーと十数台規模の車両で構成され、1市町村でのリレー終了後、聖火はランタンに格納され、次の市町村へ車両移動する。1日の終わりに聖火到着を祝うイベント「セレブレーション」を実施する。千葉県内のリレーでは、1日の最初に「出発式」も実施する。
 全国を走る聖火ランナーの総数は約1万人。千葉県は約240人が走る。県が選考できるランナーは66人で、そのうち、半数以上が公募になる見込み。県以外はパートナー企業と組織委員会などが選考を行う。パートナー企業による公募は既に始まっているところもある。都道府県による募集は来月7月1日から8月31日まで行われる。
 基本応募要件は、2008年4月1日以前に生まれた人(2020年度に中学1年生以上)、原則として走行する都道府県にゆかりがある人、など。
 選定の基本的な考え方は、国籍、障害の有無、性別、年齢のバランスに配慮しながら、幅広い分野から選定し、開かれたリレーとする。地域で活動している人を中心に選定、など。
 松戸駅周辺の詳しいルートや、セレブレーションの内容などは、これから検討される。

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