チューニング 2021年8月22日

 全国の新型コロナウイルスの新規感染者は1日に2万5千人を超え、入院・療養中は17万人に近い▼柏市では自宅療養中の妊婦が入院先が見つからないまま自宅で出産し、赤ちゃんが亡くなるという痛ましい事件も起きている。必要な時に必要な医療が受けられない。まさに医療崩壊だ▼軽症でも急変することがあるのがこの病気の恐いところ。以前のように入院を原則とすべきだ▼菅首相が記者の質問に答えないのは相変わらずだが、最近気になるのは、感染者の急増はデルタ株のせいだからしょうがない、と言っているように見えること。デルタ株が初めて報告されたのは昨年10月。今年の4月にはインドで感染爆発し、日本に入れば大変なことになると懸念されていた。今まで何をしていたのか▼菅首相はワクチン接種の実績と抗体カクテル療法を強調する。接種しても感染するし、軽症のまま感染を広げる可能性もある。ワクチンさえ打っていれば大丈夫という間違ったメッセージを発信していないか。カクテル療法も軽症者に点滴して重症化を防ぐもの。軽症者は入院できないのに、だ▼7月20日に五輪関係者から南米のラムダ株への感染が分かったが、公表されたのは今月6日。隠蔽では、との指摘も。デルタ株の二の舞を懸念する。

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