9月17日 営業担当者の雑記

先日サントリー美術館で開催されている「美濃の茶碗 黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部」を見てきました。私は特に骨董が好きなわけでも茶の湯を習っているわけでもありませんが展示されているものはとても素晴らしいものばかりでした。桃山時代というモダンで豪奢な時代背景があるとはいうものの所謂整っているものから少し歪んだもの、さりげなく設えているものあるいは偶然の美そんなものを感じさせる作品群です。三井家に伝わるという国宝「志野茶碗 銘卯花墻」がまず入ったすぐのところに展示されており度肝を抜かれます。轆轤で成形した茶碗をわざわざ歪めいびつな形にしているのです。色が微妙だとか専門的な講釈はあるのでしょうが素直に「なんだこれは」と思った次に妙に優しい気持ちになります。その隣にある「黄瀬戸 難波」がいかにも端正で気品があるのと比較するとこの作品の意匠がよくわかります。少し茶の湯の背景を見た気がしました。