12月9日 寒いねといったら、、、

「寒いねと話しかければ寒いねと答える人のいるあたたかさ:俵万智」昨日は終日雨。風も強く帰宅途中ですっかり濡れてしまいコートの袖から染み込んだ雨はジャケットにまで届き手足が冷たくなりました。家に帰り玄関先で「今日は寒いね」と古女房に言うと「暖かい上着を出しといたから」と応えました。冒頭の短歌はきっとまだ彼氏彼女の時代もしかしたら同棲しているカップルの話かもしれませんがこちらはもう気合の入った古馴染み。「老いふたり互いに空気となりあひて有るには忘れ無きを思はず:窪田空穂」の世界に入りかけていますが暖かい部屋に入り用意された夕食を食べるとき何とも言えない暖かさを感じました。若い時のように空々しい睦言はありませんが生活感のある言葉にほっとします。二人生活にどっぷりはまっているので用でもない限り女房は帰宅する私を出迎えてくれるのが当たり前になっていますが気温だけではない「あたたかさ」は感じます。