7月20日 イサムノグチ展

前から気になっていたのですがコロナ禍で躊躇していた「イサムノグチ展:東京美術館」に先日行ってきました。彼のことは石の彫刻家程度しか知りませんでしたが行ってみるとその創作群にぶっ飛びました。まず入ると和泉正敏氏との共同制作「黒い太陽」があります。スウエーデン産の花こう岩で中に穴がある薄い円柱で穴は少し中心からずれています。その後ろには提灯の「あかり」が天井一杯に広がっています。丈、形は微妙に違い圧倒的な数量です。黒い太陽の向こうにほのぼの提灯の光が見えるというのは誰かの意図かもしれません。金属板を組み合わせた作品群がとても多いのには驚きましたがやはり石の彫刻は秀逸です。これほど石をひっかき、割り、切り、磨き、ノミで削る多種多様の技法で石の魅力を引き出した芸術家がかつていたでしょうか。石が持つ様々な表情は見る人、気分により異なりこの偉大な芸術家の彫刻に込める強い感情が身内に迫ってきます。