地下歩道に新壁画
ロシアのカザンセワさん

地下歩道に壁画を描いたアガタ・カザンセワさん

 JR松戸駅近くの宮ノ越地下歩道の壁面に、ロシア人アーティストによる壁画が新たに描かれた。松戸市民会館と伊勢丹松戸店近くの線路をくぐる同地下歩道には、スペイン出身のアーティスト、アマイア・アラゾーラさん制作による壁画(今年3月制作)、松戸出身のアーティスト・瀧澤潔さんによる壁画作品「松戸のためのインスタレーション―放射能ではなくたくさんの希望の光を―」(2011年制作)があり、今回、瀧澤さんの作品とコラボレーションする形で壁画制作が行われた。
 壁画を制作したのは、松戸市の芸術家滞在施設「パラダイスエア」の今年度ロングステイ・プログラムのファイナリストで、ロシア・サンクトペテルブルク出身のアーティスト、アガタ・カザンセワさん(27)。同プログラムでは最終選考で惜しくも落選したが、松戸駅周辺の町会や自治会でつくる「松戸まちづくり会議」のサポートを得て、今月1日にアシスタントのマリア・ベロワさん(27)と来日。約1か月間をかけて、周辺町会や自治会関係者らの協力を得ながら、壁画作品を仕上げた。
 制作途中の19日には、小学生向けワークショップも行われ、ここでは、すでに壁面に施されていた瀧澤さんの壁画作品の修復作業が実施された。カザンセワさんは、この瀧澤さんの作品を下地に、ロシアの神話に出てくる「火の鳥」と「鳳凰(フェニックス)」という2羽の鳥を壁面に描いた。
 描かれた2羽の鳥は、カザンセワさんが夢で見たその姿を描いたといい、このまちを明るく生き生きとさせたいという思いが作品に込められているという。
 松戸市では、今後も海外アーティストによる同様の壁画事業を継続させていきたいとしている。
【竹中 景太】

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