市立博物館で館蔵資料展
「竪穴建物の世界」

 松戸市立博物館館蔵資料展「たてたてあなあな 竪穴建物の世界」が27日から始まった。会期は6月2日まで。会場は松戸市立博物館企画展示室。
竪穴建物は、地面を掘り下げて床を作った建物。世界各地でみられるが、日本では主に1万年前(縄文時代)から千年前(平安時代)の非常に長い間使われ、日本家屋の源流の一つにもなった。松戸市内でも、1千を越える竪穴建物が発掘調査によって見つかっている。今回の展示では、松戸市内で見つかった竪穴建物を中心に、約50点の出土した資料や写真から古代の竪穴建物を紹介するだけでなく、世界各地で記録された実際の竪穴建物約20点の古写真・絵画パネルなども展示することで、竪穴建物の全体像をイメージできるようにした、という。 また、紙や模型などで竪穴建物を作るコーナーなど、子どもも楽しく学べる空間も併設している。
 なお、発掘調査でみつかる半地下式の建物は、慣習的に「竪穴(式)住居」という呼び名で親しまれてきた。しかし全国各地で発掘調査が増えてくると、「住居」と言われてきたものの中にも、工房や集会所、仮小屋など、住居以外で想定されるものも見つかってきた。また、竪穴以外では「掘立柱建物」や「礎石建物」など〇〇建物、という呼称が一般的。このことから、近年は「竪穴住居」ではなく「竪穴建物」という用語を用いる研究者が増えており、文化庁も「竪穴建物」という名称を用いている。
 休館日は月曜。なお、4月30日、5月7日、5月24日は休館し、4月29日、5月6日は開館。
 開館時間は午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)。観覧料は無料。
 関連企画として5月19日午後1時から3時まで、松戸市立博物館講堂で学芸員講演会「民族誌からみた竪穴建物」(博物館友の会共催)を開催(要申込)。講師は同館学芸員の藤原哲氏。定員75人(応募多数の場合は、抽選)。希望者は5月1日までに同館ホームページまたは往復はがき(1人1枚)に郵便番号・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・返信用宛名を記入して、〒270-2252松戸市千駄堀671市立博物館「5月19日学芸員講演会」係まで。
 問い合わせは☎047・384・8272松戸市生涯学習部文化財保存活用課博物館。

博物館に隣接する「縄文の森」野外展示「復元竪穴住居」

竪穴建物から出土した土器
仲通(なかどうり)遺跡第 2 地点
古墳時代中期(約1600年前)

松戸市最古の竪穴建物
八ヶ崎遺跡 1 号住居跡
縄文時代早期(約 11000 年前)

カナダ 先住民の竪穴建物(1900年頃)

朝鮮半島 金海の竪穴建物(1886年頃)

組立工作模型

ペーパークラフト(手前が完成)

あわせて読みたい