木材店㈲マツムラ店頭に
六実中美術部が年賀看板

 六実にある木材店㈲マツムラの店頭に、昨年末から今年1月初旬にかけて、市立六実中学校美術部が制作した年賀看板が展示された。
 木材店では古くから、正月を迎える前に店頭などへ長物の角材を並べる慣習があり、年賀看板はその並べた角材の表面へ新年の干支などを描くというもの。六実中美術部では2016年から制作に取り組んでおり、生徒たちが描く年賀看板は、地元では正月の風物詩にもなっているという。
 今年の年賀看板の制作は、昨年12月上旬から始まった。24人の美術部員が1人1枚デザイン案を出し合い部内コンペディションによりデザインを決定。12月21日にマツムラより六実中に木材が搬入され、翌22日から26日にかけてアクリル絵の具で新年の干支であるウサギが描かれた。28日には美術部員とその保護者らが見守る中、マツムラ店頭で設置作業が行われ、設置後には記念撮影などが催された。
 美術部部長の新谷美幸さん(2年)は「昨年はトラということでカッコいいデザインでしたが、今年はウサギを可愛らしく描きました。制作過程で失敗などもあり心折れそうになることもありましたが、良い出来に仕上がり、良い思い出になりました」と話す。
 一方、木材や場所を提供する㈲マツムラの松村義彦代表は、コロナ禍以降、木材価格の高騰などから年賀看板設置の見送りを考えたこともあったという。松村代表は「木材価格は一時3倍、今は落ち着いて2倍。商売としては非常に厳しい。それでも、この看板を描きたくて美術部に入った生徒がいる、地元の方からも年賀看板を楽しみにしている、などと聞くとやめられない」と笑い、来年以降もできる限り続けていきたいとしていた。【竹中 景太】

ウサギの干支の年賀看板と制作した六実中美術部

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