松戸この1年を振り返る
記者が見た聞いた2022年

 あと2週間ほどで2022年も終わり。今年はどんな年だったのか。1年を振り返ります。【戸田 照朗】

 今年こそ新型コロナウイルスの感染が収まって欲しいと思っていたが、14日の全国の感染者数は19万人を超え、初めて20万人を超えた第7派のピークに近づきつつある。残念だが、コロナ禍は来年も続きそうだ。
 県内では、1月に「まん延防止等重点措置」が適用されたが、政府は8月に感染者数の「全数把握」を見直し、10月には水際対策も大幅に緩和した。ワクチン接種や新薬の開発が進んだこともあるが、最近では感染者が増えても行動制限を伴う措置が検討されることもなくなった。
 そんな中で、春の「さくらまつり」は3年連続で中止になったものの、10月は「3年ぶりの開催」という言葉を記事で書くことが多かった。東葛中学駅伝と松戸花火大会が3年ぶりに開催。花火大会は規模が縮小され、来場者も抽選で選ばれた1万人限定で、動画配信された。松戸神社の「神幸祭」は7年ぶりだが、本当はコロナ禍が始まった2020年に開催される予定だったものが、延期されていた。松戸まつりは、今年も中止になった。

県中学女子駅伝で連覇を果たした常盤平(上)。レースはアンカー勝負に。常盤平の堀由佳選手が後方から迫る岬(いすみ市)の石川未遥選手をかわして優勝した(下)

 暗い世相の中で、今年はスポーツ選手の活躍が心を明るくしてくれた。北京冬季五輪では過去最多の18個のメダルを獲得。先日のサッカーのワールドカップでは、ドイツ、スペインに歴史的勝利。大リーグの大谷選手は今年も投打に活躍。そして、プロ野球では村上選手が王さんのシーズン最多本塁打記録を58年ぶりに塗り替えた。
 それに水を差したのが、オリンピックやワールドカップなど、スポーツのビッグイベントでの汚職や談合疑惑だ。国威発揚のための大会は費用が巨額になりやすい。選手本位の大会に戻すべく、開催地や開催方法などを考え直す時期が来ていると思う。
 1面に掲載した写真は、先月5日に行われた千葉県中学女子駅伝で連覇を果たした常盤平中学の駅伝チームだ。私はコース上で取材をしていたので、ゴールシーンを見ていない。後ろから来る岬中学(いすみ市)の選手の勢いがあったので、「これは追いつかれるな」と思った。と、そこへ「追いつかれても大丈夫だから、落ち着いていけ!」という、常盤平中の関係者と思われる声が。アンカーの堀さんはゴールの競技場内で一度抜かれたものの、ゴール前で抜き返したという。記録は同タイム。千葉日報に掲載された写真を見ると、身体ひとつ分前でゴールしている。
 滋賀県できょう18日に行われる全国大会の模様は午前11時からBS日テレで生中継、ティーバー(TVer)でも生配信される。
 同日に行われた千葉県中学男子駅伝では、これまたアンカー勝負を制して古ヶ崎が4位に入り、関東大会への最後の切符を手にした。優勝して全国大会に出場することが目標だったので、悔しそうではあったが、4日に行われた関東大会では3位に入った。千葉県で4位、各都県の上位校がそろう関東で1つ順位を上げて3位というのは、すごいことだと思う。県大会の後に聞いた田中監督の話では、小さな学校での強化の難しさを話されていた。
 秋の高校野球関東大会で専修大学松戸高校が準優勝した。来年の春の選抜大会への出場が濃厚だ。発表は1月27日の予定。
 今年は子どもをめぐる暗いニュースも多かった。9月に市内の小学1年生の女の子が行方不明になり、旧江戸川で遺体が発見された。2017年に市内の小学校に通うベトナム国籍の女の子が殺害された事件の裁判では、被告の無期懲役が確定した。2019年に山梨県のキャンプ場で行方不明になった成田市の女の子の骨や靴などが4月に見つかり、DNA型鑑定で本人と確認された。昨年6月に八街市で起きた飲酒運転のトラックが下校中の児童5人を死傷させた事故の裁判では、被告の懲役14年が確定した。
 9月に静岡県の認定こども園で通園バスに3歳女児が取り残され、熱射病で亡くなった。最近では、保育士による虐待事件も報道されている。個人の問題だけではなく、人手不足など労働環境が影響しているとの指摘もある。国はもっと保育士の待遇改善などに積極的に取り組むべきではないかと思う。
 参議院選挙の応援演説中に安倍元首相が銃撃され殺害された事件には、やはり衝撃を受けた。そして、その後に取りざたされた、旧統一教会との関係。彼らは正体を隠して勧誘する。学生の頃はキャンパスに勧誘の窓口となる偽サークルが潜んでいる場合があるので、気をつけていたが、今でも被害に苦しまれている方がたくさんいることに改めて憤りを覚えた。救済法が成立したが、まだ不十分という声も強い。改正を重ねて、機能する法律にしてほしい。
 今年のニュースとして大きかったのは、やはり北京冬季五輪直後から始まったロシアによるウクライナへの侵略戦争だろう。物価の高騰など、国民の生活にも影響した。北朝鮮が異例の頻度でミサイルを発射したことや、台湾有事の懸念もあり、政府は防衛費を大幅に増額するという。しかし、本来なら必要な装備を精査して、それを買うのにいくらかかるのかを説明し、予算を決めるものではないのだろうか。増額目標だけが一人歩きするのはおかしい。

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