江戸時代の生活さぐる
博物館で「古文書をみる、絵図をよむ」展

 松戸市立博物館で、市内の旧家から寄贈された古文書(こもんじょ)を中心に、絵図や浮世絵を展示する館蔵資料展「古文書をみる、絵図をよむ 江戸時代編」が開催されている。
 江戸時代、いまの松戸市域には60近くの村があり、名主(なぬし)・組頭(くみがしら)・百姓代(ひゃくしょうだい)の三役人が村を運営した。領主と村の間で行き来する命令や要望は文書で行われたため、たくさんの古文書が残された。
 展示では、秋山村(現・松戸市秋山)と大谷口村(現・松戸市大谷口)を中心に、納税や借金・離婚などのさまざまな種類の古文書や、村の様子を描いた絵図・浮世絵などから、江戸時代の人々がどのような生活を送っていたのかを探るという。古文書には、当時の戸籍にあたる宗門人別帳(しゅうもんにんべつちょう)、離縁状、借用証文などがある。
 また、大地震・コレラの流行・外国船の来航など、幕末の日本を揺るがした大事件を伝える古文書も展示される。
 江戸時代は、絵と文字を使った絵図が多数残された。道や川、野山や田畑が描かれ、いまでは無くなった地名が書かれていることもある。また、外国船の来航や名所の伝説を伝えた印刷物や浮世絵なども展示される。
 会期は8月28日まで。月曜日休館(祝日の場合は開館し、翌日休館)。8月26日は、館内整理日のため休館。開館時間は午前9時30分から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)。会場は松戸市立博物館企画展示室。観覧料は無料。
 関連事業として、7月31日午後1時から3時まで学芸員講演会「古文書からさぐる松戸の江戸時代」(講師は同館学芸員の富澤達三氏)、8月6日午後1時から3時まで、歴史を語る「(仮題)近世松戸の村とくらし」(講師は江東区文化財主任専門員の出口宏幸氏)が開催される。
 問い合わせは☎047・384・8181松戸市立博物館まで。

「下総国松戸宿絵図面」江戸時代の松戸宿周辺の絵図。土地の地名がよくわかる

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「長秋山慶國寺御札」慶國寺(現・松戸市秋山)が江戸時代に配っていたお札

「小金牧絵図(複製)」小金牧全体を描いた絵図。利根川・江戸川・手賀沼の位置から牧の広大さがわかる

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