一中、コロナ禍で修学旅行が中止に
思い出に一日京都体験

 市立第一中学校で19日、京都から講師を招き校内で一日京都体験する体験学習が同校3年生(約280人)を対象に行われた。同校では京都・奈良方面への修学旅行を今年6月に計画していたが、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言・まん延防止等重点措置により延期。9月にも計画したがやはり緊急事態宣言が出されたことで中止せざるを得なかった。そこで計画されたのがこの日の体験学習で、京都で実際に焼物の絵付け体験を行っている伝統工芸士を招いての湯呑への絵付けや舞妓鑑賞、狂言師ワークショップ、浴衣の着付け体験などに取り組み、修学旅行気分を味わった。
 一日京都体験は、同校3年学年主任の舩迫千春教諭が中心となり、旅行会社などとも相談して企画された。修学旅行に向けて生徒6人で組織された実行委員会が宣伝役となり、独自にスライドショーを作成して各クラスをまわって説明するなどし、修学旅行には行けないながらも「修学旅行を感じよう」「思い出を作ろう」と準備が進められてきた。
 舩迫教諭は「二度の中止の後、生徒にアンケートをとりました。修学旅行に行きたいか行きたくないか。ただ旅行といっても受験が控える中、可能なのは卒業前3月の1日、日帰りの修学旅行です。大半の生徒が行きたいと回答しました。ただ卒業前で忙しい生徒など全員は参加できないと思います。また、コロナもあり3月に実施できる確約はありません」。何か中学の時の楽しい思い出を残してあげたい、その一心で、この日の体験学習も企画したと話す。なお、3月の旅行は県内で実施したい意向はあるが計画はまだこれからという。
 実行委員長として準備に携わってきた平井知志さん(3年)は「先生から説明するだけより、ぼくたち同級生が説明することで熱意が伝わればと、この日に向けて体験学習のことを説明してきました。もちろん修学旅行には行きたかったけど、今日の体験学習は絶対にやって良かったし、思い出になりました。絵付けした湯呑は一生の思い出の記念品になるし、浴衣も初めて着ることができて良かったです」と笑顔で話してくれた。
 市教育委員会によると、市内の公立小中学校は昨年、新型コロナの影響で宿泊を伴う行事はすべて中止にする措置が講じられた。今年は緊急事態宣言、またはまん延防止等重点措置が発出され、対象となった場合に、延期・中止・計画の変更をするよう対応が定められたため、各学校の修学旅行のスケジュールなどにより実施できた学校、できなかった学校に分かれているという。実施できない学校では、一中と同様に代替の行事を企画したり、日帰り旅行をするなど、各学校で何らかの対応がとられているという。【竹中 景太】

一日京都体験で浴衣の着付けをした市立第一中の3年生

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