松戸中央公園で点火セレモニー
聖火ランナーが「トーチキス」

聖火皿にトーチの火を移したハッサン・ナワールさん

 千葉県では新型コロナウイルス感染防止のため東京五輪の聖火リレーが中止となり、代替措置としての点火セレモニーが3日、松戸中央公園で無観客で行われた。
 千葉県の聖火リレーは1日から3日までが予定されていた。松戸市は3日の最後にランナーが走る予定で、中央公園で聖火の到着を祝うセレブレーションが行われる予定だった。
 この日は浦安市、船橋市、鎌ヶ谷市、我孫子市、柏市、松戸市のランナーがトーチの火を次のトーチにつなぐ「トーチキス」と呼ばれるセレモニーを行った。千葉県の聖火リレーの最終ランナーとなるハッサン・ナワールさん(高校2年)が最後にトーチの火を聖火皿に移した。千葉県全体で237人が参加。3日はグループランナーを含む82人が参加。松戸市は16人が参加した。
 今回の聖火リレーの中止を決断した熊谷俊人千葉県知事は「新型コロナウイルス感染拡大の中で公道を走るということはできなかったが、それぞれのランナーがそれぞれの思いを込めて火をつないでいただいたことに心から感謝をいたします。今回のオリンピックというのは当初想定した通りにはいかないところがありますが、それも含めて次にどうつなげていくかということが大事だと思います。千葉市長時代にロンドン・オリンピックの関係者に話をうかがいました。その時に是非オリンピックに至るジャーニー(旅)を楽しんでくださいと言われた。人類が経験したことのない困難の中でのオリンピックへの道筋を私たちは歩んでいます。私たちは多くの思い、教訓、経験を得ることができました。これをオリンピック後にいかにつないでいくかということを皆さんと共有したいと思います」などとあいさつした。
 ガーナ人の両親を持つハッサン・ナワールさんは松戸市立五中を卒業後、現在は茨城県内の高校に通っている。中学時代は陸上競技の200mで中学記録を出すなど活躍したが、中学最後の大会でケガをしてしまい、ここ2年は思うように走れず悔しい思いをしてきたという。「高校ラストの年は皆がすごいなと思えるような選手となって戻ってこられるように頑張りたいと思います。練習などにコロナの影響はありましたが、この期間はケガを治す良い機会になったと思います。(聖火リレーは)貴重な体験をさせていただいたので、次は聖火リレーのランナーではなく選手としての思いが強くなりました」と話した。【戸田 照朗】

「トーチキス」を行う松戸市の聖火ランナー

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