伊勢丹松戸店が閉店
市民から感謝と惜しむ声 

「43年間ありがとう伊勢丹」と書かれた横断幕を掲げる市民有志

 1974年に開店し、長年松戸市唯一のデパートとして営業を続けてきた伊勢丹松戸店が21日閉店し、43年の歴史に幕を下ろした。橋淳央店長は「地元のお客様を中心に43年間ご愛顧いただいたが、残念ながら本日閉店の日を迎えた。長きにわたりありがとうございました」と感謝の言葉を述べる一方、「デパートとしての営業は一旦終了となるが、物販をあわせた形の拠点をこの建物内につくりたい」とし、現在のビルの一部で営業を再開する方針を示した。
 伊勢丹松戸店は1月から「ご愛顧感謝ファイナルフェスタ」を開催し、連日、多くの買い物客で賑わいを見せていた。営業最終日となったこの日も、雨が降り続ける悪天候にも関わらず朝から長蛇の列ができ、午前10時の開店を10分早めて9時50分より営業が開始された。客足は終日途切れず、営業終了時間の午後7時を過ぎても、店前は同店の閉店を惜しむように大勢の市民らでごった返した。

地元アーティストと同店従業員がオリジナルソングを披露

 午後7時30分より正面玄関前で行われた閉店セレモニーも、傘を手にした大勢の人が集まり、そのなかには「43年間ありがとう伊勢丹」と書かれた横断幕を掲げる市民有志の姿もあった。地元アーティストと同店従業員がこの日のために作ったオリジナルソングを披露した後、橋店長があいさつすると、どこからともなく「ありがとう」の声と拍手がわき起こった。
 伊勢丹松戸店は1996年に売上高を336億円まで伸ばしたが、その後は、消費者の購買行動の変化や同一地域内の競合環境が厳しくなったことなどにより売上が低下し、赤字が恒常化していた。昨年9月には、松戸市が伊勢丹松戸店に市の施設を移し、約10年間でテナント料などとして約21億円を支出する案を市議会に提案したが認められず、今年3月の閉店を発表していた。
【竹中 景太】

あいさつする橋淳央店長

 

 

 

 

 

 

 

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