布川事件を題材にしたドキュメンタリー映画
「オレの記念日」上映と金聖雄監督トーク開催

 「オレの記念日」上映と金聖雄監督トークが3月18日午後1時30分から松戸市勤労会館ホールで開催される。
 「オレの記念日」は、布川事件を題材にしたドキュメンタリー映画。布川事件は、1967年8月、茨城県利根町布川で発生した強盗殺人事件。捜査が難航する中、茨城県警は地元で素行が悪かった桜井昌司さんと杉山卓男さんを別件逮捕。長時間に及ぶ取り調べの末、虚偽の「自白」をさせ、検察は物証がないまま起訴。1978年、無期懲役が確定した。当時、桜井さんは20歳だった。29年間の獄中生活を経て、仮出獄。2009年12月に再審開始が決定し、2011年5月24日に無罪が確定した。2021年には勝てないと言われ続けた国家賠償裁判で勝利した。
 桜井さんは2019年には末期ガンにより、〝余命1年〟と宣告されたが、食事療法などを続け、現在も精力的に全国を駆け巡っているという。
 桜井さんは、獄中にいた時から多くの詩を書きとめてきた。冤罪により逮捕された日すらも「記念日」にして飄々(ひょうひょう)と前に進み続けるその姿は、閉塞感を抱えながら今を生きる私たちに大切なことを教えてくれる。
 金聖雄監督は「〝冤罪〟という絶望的なテーマを追いながら、〝生きる〟という希望を見出していく不思議な感覚を映画を観て体験してほしい」としている。
 この作品には、冤罪を訴えて再審請求をしている「袴田事件」の袴田巌さんと、「狭山事件」の石川一雄さんも出演している。今回のイベントは「狭山事件にとりくむ東葛住民の会」の主催。同会は石川一雄さんを支援している団体で、石川さんは現在、第3次再審請求を行っている。
 チケットは、前売、当日とも1000円。18歳以下800円。問い合わせは、☎047・343・3803、同会の神林成光さんまで。

あわせて読みたい