チューニング 2021年10月24日

 先週の日曜、TBSテレビ「サンデーモーニング」を観ていて、軽い違和感を覚えた。司会の関口宏さんの隣のコメンテーターがジャーナリストの浜田敬子さんだったからだ▼関口さんの隣には、なんとなく番組の重鎮というか、貫禄ある男性が座る。恐らくこの席に女性が座るのは初めて。先週だと浜田さんの隣に座っていた姜尚中(かんさんじゅん)さんの〝指定席〟だ。ほかに寺島実郎さんや田中秀征さんが座ることが多い。可視化されて初めて気づいたが、〝重鎮の席〟には男性の方が、それこそ〝座りがいい〟と無意識に思っていた▼私が大学に入学した1986年、社会科学系の学部にはほとんど女性がいなかった。男子校に入ったのか? と思ったほどだ。それが今は母校でも4割が女子だという。「男女雇用機会均等法」が施行されたのが86年。私の同級生ぐらいから女性の総合職が増えた▼35年を経て役所などの取材先でも部課長クラスの女性職員が増えた。高収入の女性が増え、専業主婦が減ったことは社会構造にも変化をもたらすだろう▼政治の世界はというと、衆院選の候補者のうち女性はわずか17%。与党に至っては1割に満たないという。やはり不自然。法律である程度強制的に増やすことも必要かもしれない。

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