専大松戸が甲子園初勝利
強豪・明豊に快勝、2回戦は長崎商

左から吉岡君、石井君、本郷谷市長、木村議長

 7月21日に行われた第103回全国高校野球選手権大会の千葉大会決勝で、木更津総合を延長13回タイブレークの末にサヨナラ満塁ホームランで破るという劇的な勝利で、春夏連続の甲子園出場を決めた専修大学松戸高校。16日に春の選抜大会準優勝の強豪・明豊(大分)を6ー0で破り、甲子園初勝利を手にした。確実に犠打を決めてランナーを進め、タイムリーヒットやダブルスチール、スクイズなどで得点を重ねるという非常に効率の良い攻撃。守ってはエースの深沢鳳介投手が11奪三振6安打完封という好投を見せた。今大会は雨天中止が20日時点で既に5日と順延が続いている。2回戦は長崎商(長崎)と対戦する。【戸田 照朗】

 8月2日には持丸修一監督、主将の石井詠己君、千葉県の決勝戦でサヨナラ満塁ホームランを打った吉岡道泰君と同校の関係者らが本郷谷健次市長を表敬訪問した。石井君と吉岡君に甲子園での抱負などを聞いた。
 石井君は「春は初戦で負けてしまったので、今回こそはまずは1勝というのを目標に。今回はその先の優勝まで狙っていきたいと思います。チームの特長はピッチャーがいいのはもちろんですが、粘り強く戦えるところ。どんな展開でも粘り強く戦えるというのが夏にかけて身につけてきたもの。県大会の決勝、接戦でもしっかり試合をものにできたとういう意味では、粘り強さが上手く出せたかなと思う。春はいい投手から1点もとれず接戦で負けてしまったというのが敗因としてあったので、1点のとり方だったり、1点の防ぎ方というのをこの期間は見つめ直してきたので、そういう意味では春の大会が生きていると思います。どんな試合展開でも応援してくださっている方がいるので、その人たちの分まで粘り強く、あきらめずに戦っていきたいと思います」と話した。
 吉岡君は「いい準備ができたからこそ、あの打席は最高の結果につながったと思う。打った4球目で絶対に決めてやろうと自分の中で感じた。高校野球の中で一番考えて打席に入って、最高の結果につながった。泣いても笑っても最後の甲子園。春はあれだけ涙を流して、千葉県大会でもいっぱい泣いてきた。この最後の夏の甲子園は最高の笑顔で笑って終わりたい。春の大会で打順が4番から2番になり、自分の役目を考えた。自分が出てかき回すこと、下位打線がつないだチャンスをしっかり自分がものにするという2つの役割分担を自分の中で整理して打席に入れた。結果が出ないときは引き出しを多く増やして、試合をやっていく中で、しっかり修正できたことが高打率につながったと思う。生まれも育ちも松戸。小学校(松飛台)も中学校(松戸四中)も松戸で育ってきたので、松戸市民の皆さんに恩返しというか、自分のプレーだけではなく専修大松戸の野球部として勇気と希望と感動を与えられるような最高のプレーを甲子園でしていきたいと思います。また、勝つことで松戸市民がもりあがってくれればと思います」と話した。

専大松戸が甲子園初勝利 「校歌が聞けて感無量」

 1回戦の明豊(大分)戦では、学校関係者1500人が甲子園のスタンドから応援した。
 吉岡君の父・邦勉(くにかつ)さんは、「春のセンバツでは悔し涙もあったが、夏は最初から最後まで笑顔で楽しそうにプレーしてくれて良かったです。甲子園で初めて専松の校歌が聞けて、感無量です。雨天順延で来れなくなった保護者もいる中、それでもたくさんの保護者や応援団、関係者が足を運んでくれて心強かったです。次戦も、ここで満足せずに精一杯頑張って欲しいです」と話した。
 深沢鳳介投手の父・竜之(たつゆき)さんは、「春は勝てなかったので、一生懸命練習してきて、いい形で勝てて本当によかった。試合前の投球練習では少し緊張しているように見えたが、いい入り方をしていたので順延の影響などはないなと安心した。日程の調整が大変な中で、たくさんの保護者と吹奏楽の演奏の中で試合をやらせてもらえて有り難いと思った。今日は本当に良くやった。ナイスピッチングと声をかけてやりたい。次の試合も春からやってきた専松野球を見せてくれればと思う」と話した。
 マネージャーの三浦未来(みく)さん(3年)は、「甲子園はだれもが来れる場所じゃないのに、2回も連れてきてもらえて、選手たちに感謝しています。また、甲子園でも選手たちがいつも通りのびのびと野球をやっていて、とても嬉しいです」と話した。
 吹奏楽部部長の横尾波月(よこおはづき)さん(3年)は、「また帰ってこれたんだという思いと、春は(事前録音で)演奏できなかったので、すごく嬉しい気持ちです。春は専松らしい曲と選手からリクエストをもらった中から限られた曲10曲を学校で録音しましたが、今日は場面に合わせて24、25曲用意してきました。千葉県でたった1校しか出られない甲子園に、吹奏楽部38人を連れてきてもらえて感謝しています」と話した。
 チアリーディング部部長の上水流舞(かみずるまい)さん(3年)は、「強豪校相手に選手が頑張っているので、私たちも頑張ろうという思いでした。この日のために部員21人で一生懸命練習してきて、昨日も遅くまで吹奏楽部と合同練習をしてきました。春は録音に合わせてだったので、今回は吹奏楽部の演奏に合わせて踊れて、やっぱり違うなと、嬉しく思いました」と話した。

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