輪島フグのいしる干し
新甫実商店

魚醤香る とびきりの肴

石川県輪島市の新甫実商店では、日本海で取られた魚を山あいの湧水で丁寧に処理し、地元の魚醤「いしる」につけて天日干ししている。コクがあり、酒の肴にはとびきりの味だ。「昔から輪島では、季節の魚をいしるに漬けて干し、普段のおかずにしています」と、社長夫人の新甫清恵さんは話す。

いしるは、地域によっては「いしり」とも呼ばれる。同商店では、イワシやアジを内臓ごと塩漬けして発酵させたものと、イカをワタごと漬けたものの2種類を使う。「魚によってどちらのいしるで漬けるか、皆で考えて決めています。」

輪島の港に水揚げされた「輪島ふぐ」は、イワシのいしるに漬けて干したものが特にお薦めという。さっぱりめのイカのいしるに比べ、個性的な風味が生きている。

冷凍で届くので、冷蔵庫で解凍してから中火で焦げないように焼く。口に運ぶと、海の香りが一瞬にして広がり、お酒か、ご飯が欲しくなる。

ほかにも、カレイやサバなど様々な魚のいしる星を作っている。いしるそのもの、液体のほか、粉末状にしたものを販売しており、注文できる。薄めて海草鍋に使うと、美味だそうだ。

お酒は、地元の中島酒造店の清酒「能登末廣 能登酒」がよく合うと、新甫夫妻が推薦してくれた。いしる干しには、特にスッキリした飲み口の酒をお燗で楽しみたい。

新甫実商店 http://shinbo-minoru.com/

読売新聞 2018年12月 輪島ふぐのいしる干し

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