りんごもち
高砂堂

羽二重餅 香りほのかに

1894年創業、秋田市の和菓子店「高砂堂」の看板商品は「りんごもち」である。秋田産もち米の白玉粉で作った羽二重餅で、ほのかにリンゴの香りが漂う。ふわふわと軟らかく、口の中でとろけていく。初雪のように初々しいお菓子だ。全国から注文がくる秋田の銘菓となっている。

初代はハイカラな起業家で、写真館や果樹園を営んでいたという。果樹園をたたんだ後、傷付いて売り物にならなくなったリンゴに目を付け、ようかんに加工して売り出した。リンゴをもっと活用したいと、リンゴもちを考案したのは昭和の初めの頃だ。

白玉粉を水で溶いて蒸し、砂糖やリンゴ果汁を加えて4時間ほどかけ、弱火でじっくり練る。低温で練り上げることで軽やかな食感が生まれる。リンゴは秋田県大潟村のものだ。

現在の代表は5代目の塚本清さん。石川県生まれで、大学卒業後、東京で会社勤めをしていた。高砂堂の娘さんと結婚、秋田の店を継ぐことになった。東京の菓子店で働きながら、夜は製菓学校へ通って菓子作りを学んだ。「りんごもちを大切にしながら、新しい看板商品も考えたい」と夢を描く。

1918年建造の店は、外観は純和風で、内部は大正ロマン漂う洋風建築。歴史を感じるたたずまいは、国の登録有形文化財にもなっている。

2018年11月24日 読売新聞 甘味主義より

高砂堂HP http://www.takasagodo.jp/

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