栗むし
小布施堂

全て栗 もちもち食感

長野県小布施町で栗の栽培が始まったのは、室町時代とされる。昼と夜の寒暖の差が大きく、開花時期の天候に恵まれていること、扇状地で水はけがよく、土地が酸性を帯びていることなど、様々な条件がそろい、名産地として広く知られるようになった。「小布施堂」が栗菓子の販売を始めたのは、加工技術が発達した1900年前後、明治30年代以降のことという。

「栗むし」は2011年、デパートの催事を機に考えられた商品だ。大粒の栗の渋皮煮を、栗あんの生地で包んで蒸し上げている。栗あんは新鮮な栗を蒸して裏ごしし、砂糖を加えて練ったもの。栗の風味を生かすため、甘さは控えめ。独特のもちもちとした食感がある。

栗の繊細な風味は、時間とともに消えていく。収穫後に時間をかけず、素早く仕込むことで味わい深い栗あんや渋皮煮になる。

栗蒸しようかんは栗と小豆あんの組み合わせが多いが、こちらは全てが栗。さすが栗の里と言いたくなるような楽しさである。栗を描いた包み神もおしゃれだ。「地元で採れた栗を地栗、遠方から来た栗を旅栗と呼びます」とは、営業部長の南謙さんである。地栗のほか、熊本産の茨城産などの栗も加えている。

毎年秋、小布施の町は栗一色。多くの観光客が栗を求めて訪れる。葛飾北斎ゆかりの地であり、歴史ある蔵や瓦屋根の古い街並みも保存されている。小さな旅もお勧めしたい。

2018年10月8日 読売新聞 甘味主義より

小布施堂 http://shop.obusedo.com/shopbrand/namagashi

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