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Good Coice 〜新聞掲載の逸品〜

和菓子 東京 関東

鶯もち
青野総本舗

とろける あんと求肥

東京・六本木、古くは麻布三河台町と呼ばれた地に老舗和菓子店「麻布 青野総本舗」はある。創業は安政3年だ。この店の「鶯もち」がおいしい。
北海道産小豆を白ザラメで丁寧に炊きあげて作ったこしあんを、口どけの良い求肥で包み、香ばしいきな粉をまとわせた一口サイズの菓子。あんも求肥もとろけるように軟らかい。あっさりとした甘さに、香ばしいきな粉が加わって至福のひとときになる。
鶯もちは1953年頃、4代目が、俳優の兄から「楽屋で手を汚さず食べられる菓子がほしい」と頼まれて考案した。笹舟に見立てた包みを開けると、ウグイスのつがいを思わせる小さなもちが二つ。個包装で食べやすく、見た目も気がきいているのは、楽屋見舞いを意識したからだろう。
菓銘は、松尾芭蕉が詠んだとされる「鶯をたづねたづねて阿左布まで」という句にちなむ。
求肥にはきめが細かくのびのよい羽二重粉を使用するなど、材料や手間を惜しまない。だが、それ以上にぜいたくなのは支店を持たず、店の上の工場で職人たちが手作りしていることだ。「お客様を大切にしたいと考えてのこと」と、6代目の青野輝信さんは語る。
江戸時代、大名の下屋敷があった六本木周辺は、明治になって閑静な屋敷町に。やがて華やかな夜の街、IT企業の集まるオフィス街へと表情を変えて来た。客の好みも変化する。だが、この店の菓子作りの姿勢は変わらない。

2020年3月7日 読売新聞 甘味主義より

青野総本舗HP https://www.azabu-aono.com/tunen/uguisu.html

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