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Good Coice 〜新聞掲載の逸品〜

和菓子 神奈川 関東

いちご餅
桃太郎

酸味包む もちもちの皮

知り合いが「おいしい和菓子がある」とわざわざ届けてくれた。それが神奈川・新子安の「和菓子処(どころ) 桃太郎」(1917年創業)の「いちご餅」である。生のイチゴを餅でくるんだもので、もちもちの皮と甘酸っぱいイチゴのバランスが絶妙だ。表面がでこぼこで手作り感のある姿も愛らしい。糖度が高く、ほどよい酸味のあるとちおとめを使用。毎朝、店でもち米を蒸して餅をつき、ご主人の村上守さんと息子さんで包む。
「いちご餅」は、イチゴ大福がブームになった87年、先代の艾治さんが和菓子研究家と共に考えた。当時、皮はもち米の粉で作る求肥を使っていた。

ところが、村上さんの代になった94年、奥さんの靖子さんが言った。「つきたての餅の方がおいしいのに」。たしかに餅ならではのおいしさがある。だが手間は倍以上だ。家族でやっている店で団子やどら焼きも作るからすでに手いっぱいである。熟慮の末、思い切って餅に変えると、さらによく売れた。
これを機に昔ながらのていねいな菓子作りに舵を切る。製あん所から生あんを仕入れていたのをやめて豆からあんを炊くようになり、薯蕷饅頭も山芋をすりおろすところから始めた。すると地元はもちろん、遠くから足を運ぶお客さんが増えた。

コンビニの和菓子が進化して、個人商店は苦戦を強いられている。「人の手をかけることに生き残りの道があるのではないか」と村上さんは考えている。

2019年 12月14日 読売新聞 甘味主義より

桃太郎HP https://www.momotaro-san.jp/

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