取り寄せBest

Good Coice 〜新聞掲載の逸品〜

山形県 東北・北海道

山形まんだら
戸田屋正道

雪山描く自家製あん

はじめて見たときに、凜として美しい姿だと思った。山形市の和菓子店「菓遊専心 戸田屋正道」(創業1948年)の「山形まんだら」である。四方を山に囲まれた山形には、周囲の山を仏に見立て、山岳曼荼羅とする考えがあるそうだ。

菓子は白い雪をかぶった山頂部分を白小豆、下を小豆の2色で表現している。どちらも北海道産で、豆から炊いた自家製あんである。成形しやすくするために山形産のもち米「おくしらたま」を加え、そぼろ状にこし出して押し固めている。

それだけで深山の空気を感じるような姿となる。和菓子は奥深いと改めて思った。食べると、しっとりとしてなめらか。ほどよい甘さで小豆の風味が際立っている。

2012年、2代目当主の戸田正宏さんが考え、翌年、全国菓子大博覧会で外務大臣賞を受賞している。

店は「ごまかしのない食品づくり」を目指し、自分たちの目で見て確かめた素材を使っている。同時に技術の研鑽に励み、新しい菓子も模索して、地元の人々に愛されている。

現在は3代目の健志さんが店を守る。20歳の時、家族とも話し合い、菓子職人を志した。県外の菓子店で修業を積み、12年前に戸田屋に入社した。「師匠の言葉は『菓子作りは人作り』。丁寧な生き方をする人は丁寧な仕事をする。雑に生きれば菓子も雑になる」と語る。まっすぐな答えが返ってきた。

 

2019年10月12日 読売新聞 甘味主義

戸田屋正道HP http://toda-ya.com/

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です