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Good Coice 〜新聞掲載の逸品〜

和菓子 奈良県 関西

さつま焼
春日庵

後味良い 品あるこしあん

奈良市の旧市街地「ならまち」は細い路地や古い町並みが残る、そぞろ歩きの楽しいところだ。その一角に1897年(明治30年)創業の和菓子店「春日庵」がある。名物は、サツマイモをかたどった「さつま焼」である。

こしあんを小麦粉と卵で作った皮で包み、焼き上げたかわいらしい菓子だ。あんは品のいい、すっきりとした甘さで後味が良い。こんがりした皮の香ばしさとともに、ほっとする味になっている。気取らず、熱いほうじ茶といっしょに楽しみたい。

昭和初期、2代目当主が修業した大阪の店の味を引き継ぎ、完成した。北海道産小豆を水にさらしてアクを抜いてから炊き、雑味の少ないザラメ糖や上白糖などで甘みを付けてあんにする。皮で包み、まんじゅうにしてから竹串に刺し、細長く形を整えて1個ずつ焼いている。

現在は4代目の野崎勝義さんが当主を務め、家族で店を守る。秋の新物の小豆は水分が多く、あんがべたつくことがある。半年ほどおくと、ほどよく水気が抜けて落ち着いてくる。「季節や天候で仕上がりが変わるので、毎日同じ味になるようにあんばいをしています」と野崎さん。

売り場に立つことはないが、お客さんの「おいしかった」の声が伝えられるのが励みだ。先ごろ、店舗の2階に茶房を設けた。さつま焼はもちろんのこと、大和茶を使ったかき氷も人気となった。「奈良の良い思い出の一つになればうれしい」と語った。

2019年8月21日 読売新聞 甘味主義より

春日庵HP https://kasuga-an.co.jp/

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