取り寄せBest

Good Coice 〜新聞掲載の逸品〜

京都府 和菓子

小丸松露
亀屋友永

砂糖衣カリッ あん軟らか

食べるのがもったいない。京都の和菓子店「亀屋友永」の「小丸松露」を見て思わずため息をついた。小箱に梅の花や栗、白い丸形の半生菓子が整然と並んでいる。はんなりとした色や姿の華やかさ、可憐さは京菓子ならではだ。

外の砂糖衣はカリッとして、口の中でとろりと溶ける。中のあんは北海道小豆を丁寧に炊き上げたもので、しっとりと軟らかく後味がよい。梅と栗は白こしあん、白は小豆こしあんだ。小さいが食べ応えがある。抹茶はもちろん、苦味とコクのあるコーヒーやブランデーなどにも合いそうだ。

松露というのは松の根に自生するキノコで、その姿を模した半生菓子が古くからある。白い丸形が多いが、1975年ごろ、2代目が梅や栗の形を加えて現在の形にし、店の看板商品に育てた。一年を通して松露を扱っている店は京都でも少ない。

外側は、砂糖と水を煮詰めて攪拌し、クリーム状にした「すり蜜」をまとわせている。鍋にすり蜜を入れ、天ぷらを揚げるようにあん玉をくぐらせるので、職人言葉では「天ぷら」というそうだ。梅は花弁の立体感がでるように薄めに、白はころんと丸くなるよう少し厚めにつける。

湿度が高いと菓子の表面に水気が浮いて、「泣く」という状態になりがち。梅雨から夏の季節はとくに苦手で、湿度計と肌感覚を頼りに塩梅する。

「奇をてらったことはしたくないけれど、今の時代に合った工夫は加えたい」と3代目の宮脇巌さん。季節限定で桜やユズの風味のあんも登場している。

2020年1月15日 読売新聞 甘味主義

亀屋友永 http://kyoto-okashi.jp/shop/nakagyoku_kameyatomonaga/

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です