苦うるか
人吉冷蔵

通好みアユの内臓の塩辛

アユのアユの季節が到来している。その内臓や卵(卵巣)などで作った塩辛は、「うるか」と呼ばれる。通好みの酒の肴として大切にされてきており、昔は「うるか一升、金一升」とも言われて、大層高価な珍味だったそうだ。

苦うるかは、中でも内臓だけを使ったものを指す。ほのかな苦みや渋みが特徴だ。

熊本県の球磨川、岐阜県の長良川、島根県の高津川、そして大分県の三隅川や大野川など、うるかは各地で特徴のあるものが作られている。急流で知られる球磨川のアユは、清流に生えるコケを餌として成長し、すがすがしい香りと独特の風味が特徴。今回の苦うるかは、このアユを使っており、一度は口にする価値がある。

製造元の人吉冷蔵は、氷を伝統の技法と最新技術を使って作り続け、90年以上になる。その間に球磨川で育った天然アユと出会い、生干しや、うるかを売り出したと伝えられている。最近は、天然物があまり取れなくなり、養殖物が多くなっているというが、苦うるかのほかに、卵と白子(精巣)で作る「子うるか」も人気だ。

担当者は「苦いうるかは、そのまま召し上がっていただきたいですね。子うるかは、お好みでカボスの搾り汁やユズ酢などを加えてもおいしいです」と勧める。

お酒は、地元の球磨焼酎「武者返し」(寿福酒造場)がお薦めだ。深いコクが感じられ、美味だ。

2019年6月15日 読売新聞 辛味主義より

HP http://www.ayu-suisan.com/shousai.html

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