乙女のひととき
蜜屋

白あんにドライフルーツ

パッケージに心ひかれた。創業約70年、広島・呉の和菓子店「蜜屋」の「乙女のひととき」のことだ。窓辺でお茶を楽しむ女性の姿が描かれている。「どんなお菓子だろう」と思わず手が伸びる。

中はふわふわの皮のどら焼き。北海道産白小豆の粒あんとクルミ、ドライフルーツにしたイチジクやレーズンのハチミツ漬けを挟んでいる。白あんの品の良い味わい、ハチミツの甘さ、ドライフルーツの味わいが一つになり、新鮮な美味しさだ。ハチミツは地元広島の宮島産。サカキなど樹木の花から集めた蜜だ。

2年ほど前、代表の明神博さんの次男、宣之さんがデザイナーと組んで考えた。社内では当初、博さんを始め、反対意見が多かった。和菓子とドライフルーツは合わない、パッケージが蜜屋のイメージと違う、名前がお菓子らしくない……。散々である。

しかし、出来上がったものを食べた博さんの「若い者に任せよう」という一言で発売が決まる。最初はなかなか売れなかったが、一度食べた人がまた買いに来る、贈られた人がまた買いに来る、贈られた人が自分用に買うというふうに徐々にファンが増えていった。現在は全国から注文が来るほどのヒット商品に成長した。

「『乙女のひととき』シリーズとして、どら焼き以外の菓子も考えています」と宣之さん。上生菓子など和菓子の基本をしっかりと身につけた人である。新時代にふさわしい美味しさが登場することだろう。

読売新聞 2019年6月8日 甘味主義より

蜜月HP http://mitsuya-honpo.jp/information/detail.php?num=85

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