喜今日
雅風堂

粒あんに和三盆の香り

石川県白山市の和菓子店「雅風堂」(1980年創業)の「喜今日」は、茶席菓子らしい風格のある美しい姿をしている。創業から約10年後、代表の安田晶一さんが茶人に長く愛される菓子をと作り出した。

粒あんに、もち米から作る粉「寒梅粉」を加えて型作り、表面に和三盆糖をまぶした半生菓子だ。

表面は乾いてやや歯ごたえがあり、中はもちもちとしてみずみずしい。しっかりとした甘さがあり、小豆の風味が立ち上がる。和三盆の香りも豊かに広がる。北海道・十勝産小豆を丁寧に炊き上げた粒あんのおいしさが素直に伝わってくる。

菓銘は「今日の喜びを感謝する」との気持ちを込めた。抹茶はもちろん香りのいい煎茶にもよく合う。

晶一さんの父、義明さんは、1949年、土産菓子卸業の会社を興した。いつか直売店を持ちたいという夢を託された晶一さんが開いたのが、雅風堂だ。古都・金沢を中心に石川県は茶道が盛ん。目の利く茶人も多い。職人技の光る上生菓子など、伝統を踏まえた茶人好みの菓子を目指してきた。

やがて「菓子屋には『この店ならこれ』と人に知られる代表銘菓が必要」と思い至る。おいしいのはもちろん、よそにない、記憶に残る特徴が必要だ。工夫を重ねて完成したのが喜今日である。

「これからも手作りにこだわった、他の店にないものを作っていきたい」と語る。

2019年5月 読売新聞 甘味主義 より

雅風堂HP http://www.gafudo.co.jp/introduce/product/pro01/kikyo.html

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