キャラメル煎餅まつほ
田中屋せんべい総本家 

みそ入り銘菓に新味

1859年(安政6年)創業、岐阜県にある「田中屋せんべい総本家」の「まつほ」は、その名と印象を異にする菓子だ。店の伝統銘菓、堅焼きの「みそ入大垣せんべい」にキャラメルペーストを塗り、フランス・ゲランドの粗塩、粉糖をふって高温のオーブンで焼き上げたものだ。

表面はつややかで、しっかりとした歯応えがある。甘さとほろ苦さ、塩のうまみが一つになった新しいおいしさ。くせになる味だ。考案したのは6代目の田中裕介さん。銘は鎌倉時代初期の歌人、藤原定家の歌にちなんだ。

6年前、あるデパートからキャラメルを使って新しい菓子を、と提案を受けた。興味を持ったがためらいもあった。店には自家製みその風味を生かした顔とも言うべき、みそせんべいがある。おいそれと手を出しかねるが、現代に合うおいしさも作りたいと一歩踏み出した。

東京のパティシエと組み、最初は生地にキャラメルを混ぜることを考えたが、うまくいかない。半年ほどの試行錯誤の後、キャラメルペーストを塗る方法にたどり着いた。

「新しいお客さんが増えた。みそせんべいそのものが見直されたこともうれしい」と田中さん。「甘党」という和菓子屋の若手やデパートのバイヤーらの集まりを作り、情報交換も行なっている。「皆で和菓子を面白がっていきたい」と新しい風を吹き込んでいる。

読売新聞 2019年4月20日 甘味主義

田中屋せんべい本舗HP http://tanakaya-senbei.jp/products/matsuho

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