塩あご
篠崎海産物店

あぶって広がる味わい

今から400年ほど前の大航海時代、南蛮貿易の中心地として栄えた長崎・平戸は、異国人から「フィンランド」と呼ばれたという。

日本の旧家の正月を長年取材する中で、平戸藩主のご子孫を訪ねたのは20年近く前。今回の品「塩あご」は、この平戸の旅で出会って以来の長いお付き合いだ。長期間の取材で街を歩くうちに知人が増え、おいしいものに恵まれるのは役得と感謝している。

平戸湾に面した旧平戸オランダ商館跡地に立つ「篠崎海産物店」は、現当主の篠崎繁実さんで3代目。潮風と天日が作り出す平戸ならではの干物を製造・販売している。使う「あご」は、激流渦巻く平戸瀬戸で取れたツクシトビウオが中心だ。

塩をふって丸干しした「塩あご」は、焦げない程度にあぶって食べる。「焼いて時間がたつと硬くなる。熱いうちにたたいてほぐし、召し上がってください」と奥様の恭子さん。かみしめると、トビウオ独特の味わいが口に広がっていく。

さっぱりとした「生干しあご」、味付きでスナック菓子のようにも食べられる「つまみあご」などもある。

お酒は、平戸市の「春日の棚田」がある集落が昨年、世界文化遺産に登録されたのを記録し、この棚田の米を原料とした地元産の純米原酒「フィランド」を、恭子さんが推薦。白ワインのような酒だ。

2019年3月30日 読売新聞 辛味主義より

篠崎海産物店HP http://hirado-ago.com/

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