ふいご
関市虎屋

香り際立つよもぎ餅

岐阜県関市の「和菓子処関市虎屋」の「ふいご」は、きな粉をまぶしたよもぎ餅だ。ふいごは日本刀を鍛錬する時に、炭火を高温にするために風を送る古来の用具のこと。刀鍛治が盛んだった関市の歴史にちなんでいる。

香ばしいきな粉、風味のいい粒あん、よもぎの香りが際立つ求肥が口の中で一つになる。ふいごという男っぽい道具と響き合うような力強い味わいだ。40年ほど前に2代目が作った菓子で、現在は息子で3代目の古田淳資さんが味を伝える。

あん作りで重要な「渋切り」という作業では、北海道産小豆の風味を最大限に引き出すため、アクを抜きすぎないよう心掛ける。畑の風味を大切にしているという。求肥は県内産のもち米が原料で、コシと柔らかさのバランスに留意する。よもぎは東北産で、昔ながらの手摘みで香りがいいものを厳選。きな粉も国産の香ばしいものを選んで使っている。

吉田さんは中学生の時、作文「将来は日本一の和菓子屋になる」と書いたほどだ。大阪での修行時代は、名人と言われる菓子職人を師と仰いだ。「真摯に取り組むこと。仕事は丁寧、まじめに。何事も誠実さが大事と教えられました」

現在は若い世代に和菓子のおいしさを知ってもらいたいと、地元の小学校やPTAの保護者会で和菓子教室を開いている。積み重ねてきた技と思いを大切に、次の世代に伝えていきたいと願っている。

2019年2月 読売新聞 「甘味主義」より

和菓子処 関市 虎屋

ふいご

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