2015年4月9日,読売新聞は、創刊からの号数が5万号に達しました。日頃のご購読ありがとうございます。

読売新聞は9日、創刊からの号数が5万号に達しました。

 日本が近代国家として歩み始めた直後の1874年(明治7年)11月2日に第1号が出た読売新聞の題号は、現存する新聞で最も長い歴史を誇ります。

創刊号 1874年11月2日 自由民権運動が起こり、多くの新聞が政論をたたかわせる中で、市井の話題を主とする新聞として登場した。ほぼ半紙大で表裏2ページ。「政府」に「おかみ」と傍訓をふるなど、記事を分かりやすくする工夫で庶民に支持された。

時代超え伝える

 以前、愛知県に伝わる古い盆踊り唄を聴いていて「針金便り」という言葉に出くわした。電報のことである。

 東京西京は針金便り、わしと殿さはふみだより…。遠い都ならば電報だけれど、幸せなことに私の恋しい殿方はもっと近くにいるから、手紙で思いを伝えるのよ、と。

 民謡の文句をこしらえた誰かの造語と思っていたら、本紙の創刊号に同じ言葉を見つけた。〈はりがね便り〉。スマートフォン片手の“指だより”に慣れた人はおそらく、ジュラ紀か白亜紀の記事でも読んでいる気分だろう。

 いまでは遠い死語が、今日的な論旨と同居しているところが面 白い。〈近頃西洋といふ國々の人がおひおひ日本へ来る〉。最初は薄ッ気味悪く思ったが、つき合ってみると悪い人たちではない。外国の客人をもてなすのは楽 しいものだ、と説いている。情報伝達の手段が針金からスマホに移ろうとも、むつみ合うことを無上の喜びとする心は今も昔も変わらないらしい。

 顧みれば、国難に次ぐ国難の歳月である。堀口大学の詩を思い出す。〈火事がなければ地震があつた/病気がなければいくさがあつた/あひ間あひ間に生活くらしがあつた…〉(『歴史』)。5万号につづく一歩は天災と人災の暴発を封じ、「あひ間」を永続させる一歩でなくてはなるまい。

 現代人よ。国難の芽を、何よりも戦火の芽を、この地球上から摘みたまえ。140年前に“おもてなし”の心を説いた創刊号が教えている。

詳しくは:http://www.yomiuri.co.jp/feature/50000gou/20150402-OYT8T50025.html?from=ytop_os_abv_p