中馬庚が広めた「野球道」(読者投稿)

 「野球道(やきゅうどう)」ってご存知ですか。
 ベースボールを「野球」と和訳し、日本に広めたのが中馬庚(ちゅうまかの・1870年―1932年)です。鹿児島生まれで、幼少期に「侍精神」を身につけました。彼はその精神を礎とし、アメリカのベースボールとは異なる、勝ち負けだけが全てではない「野球道」を追い求めました。
 「道(どう)」とは、日々技を磨く稽古を通じて、人間形成をも目指す道ですね。
 例えばインフィールドフライ、これは「ずるいプレー禁止のルール」です。しかし彼は、「日本では騙すような事はしない」とその導入に反対したのです。
時折、アスリートの不祥事を耳にしますが、是非、スポーツの役割や社会的意義を、中馬庚の歴史に学んでほしいものです。
 また野球とは異なる将棋界では、「お願いします」の礼から始め、投了する際は、「負けました」と自ら意思表示をします。将棋の頂点を目指す子どもたちを育てる中で、勝負の厳しさとマナーを…、これも意義深いですね。
 全てのスポーツには厳格なルールがありますが、それ以外にマナー・モラル・エチケット等も付随します。また、事により罰則も課せられます。
 身近に感じる何かの起源・歴史・文化・伝統を、一度辿ってみるのは如何でしょうか。
(スポーツ一番 74)

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