チューニング 2018年5月27日

 

 

 日大アメリカンフットボール部の悪質タックル事件と国会の森友・加計学園問題が、どことなく重なって見えるという人は、意外と多いかも知れない。権力者の指示があったのかなかったのか、状況から見て多くの人は、きっとあっただろうと踏んでいるが、いつまでもモヤモヤと事実が明らかにならない▼ただ違うのは、日大の方は事実を明らかにすることが被害者への謝罪につながると、加害学生が自ら実名顔出しで記者会見を開いたこと。かたや国会では、権力者のウソに付き合わされて、官僚が苦しい答弁を続けている▼時の政権は時代の空気をつくるような気がする。小泉政権の時代、亀田兄弟という行儀の悪い若いボクサーがもてはやされた。強ければ少々のことは許されるというように。小泉政権の環境大臣だった小池百合子東京都知事は試合会場にも足を運び、環境省のポスターに兄の興毅選手を抜擢した▼ところが、ある時期から風向きがガラリと変わり、亀田兄弟は世間のバッシングを受けるようになる。早い段階で彼らの行動を諫めず、増長させたのは大人たちなのに、ほうっかむりしたように何の批判も受けていない▼大人がずるくなった。言い逃れできるうちはいくらでも逃げて、事実を認めない。これが今の空気だ。

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